近年の乳がんの研究の進歩によって、HER2(ハーツー)受容体(以下HER2)というタンパク質の存在が明らかになりました。HER2は、細胞の膜を貫く形で細胞の表面に顔を出しており、他に同じような形をした3種類の仲間がいます〔EGFR(HER1)、HER3、HER4〕。EGFR、HER2、HER3、HER4の4つをあわせてHERファミリーといいます。
HER2は正常な細胞にも存在しますが、一部の乳がん患者さんのがん細胞では正常細胞に比べてHER2が多くみられることがわかっています(HER2過剰発現)。また、HER2の遺伝子が多くなっていることがあります(HER2遺伝子増幅)。このような、HER2が多くみられる乳がんをHER2陽性乳がんといいます。
HER2陽性乳がんでは、このたくさんあるHER2が、がん細胞の増殖に関係していると考えられています。そのため治療をするときには、HER2の働きを抑えて、がん細胞の増殖を防ぐことが大切です。







