QT間隔延長

  • 心室性の期外収縮を認める患者では、本剤の投与によりトルサード・ド・ポアン(多形性心室頻拍)を誘発し心室細動に移行する危険性があります。
  • 心室性の期外収縮の既往を有する患者については、投与の可否を必要に応じて循環器専門医に相談してください。
  • QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(適正使用ガイド:27頁参照)が投与されている患者については、適切な検査により、心室性期外収縮の有無を確認、及び程度を評価し、投与の可否を必要に応じて循環器専門医に相談してください。
  • 上記のいずれかに該当する患者は定期的(月1回程度)に心電図検査を行ってください。
  • QT間隔延長が認められた場合は、循環器専門医に相談し、心室性期外収縮の有無を確認してください。また、その程度をLOWN分類により評価し、本剤、カペシタビンの休薬、減量を行ってください。

リスクが予想される患者

●心室性の期外収縮を認める患者
●QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤を投与されている患者

発現状況

カペシタビン併用療法(国内第Ⅰ/Ⅱ相試験、海外第Ⅲ相試験)及び、単独療法(国内第Ⅱ相試験)での臨床試験におけるQT間隔延長の発現頻度を以下に示します。国内第Ⅰ/Ⅱ相試験で報告されたQT間隔延長は、本剤とカペシタビンの併用療法を6サイクル投与された症例において、投与終了時にGrade 2のQTc(Bazett式により補正されたQT時間)の延長が認められたものであり、スクリーニング時に0.46秒(Grade 1)であったQTcが投与20週後に0.496秒(Grade 2)に延長しています。その後1週間ごとの追跡検査においてQTcのさらなる延長(最悪値:0.548秒、Grade 3)が認められていますが、QT間隔延長に伴う症状は認められませんでした。

臨床試験におけるQT間隔延長(有害事象)の発現状況

[表]臨床試験におけるQT間隔延長(有害事象)の発現状況

参考

推奨されるマネジメント

本剤投与開始前

心室性の期外収縮の既往を有する患者については、必要に応じて循環器専門医に投与の可否を相談してください。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(適正使用ガイド:27頁参照)が投与されている患者については、適切な検査により、心室性期外収縮の有無を確認及び程度を評価し、必要に応じて循環器専門医に投与の可否を相談してください。

上記のような患者は定期的(月1回程度)に心電図検査を行ってください。

本剤投与開始後

QT間隔延長が認められた場合は、循環器専門医に相談し、心室性期外収縮の有無を確認してください。
期外収縮がある場合はその程度をLOWN分類(下記参照)により評価し、タイケルブ、カペシタビンの減量、休薬を含め以下のように対応してください。

●Grade 3以上が発現した場合:最長2週間タイケルブ、カペシタビン共に休薬。

Grade 1以下に回復した場合:

減量せずに投与再開。
定期的(2〜4週ごと)に心電図検査を行い注意深く観察。

Grade 1以下に回復しない場合:投与再開の可否を循環器専門医に相談。

●再度Grade 3以上が発現した場合:最長2週間タイケルブ、カペシタビン共に休薬。

Grade 1以下に回復した場合:

タイケルブを1000 mg/日に減量して投与再開。
カペシタビンの減量も考慮。
定期的(2〜4週ごと)に心電図検査を行い注意深く観察。

Grade 1以下に回復しない場合:投与再開の可否を循環器専門医に相談。

LOWN分類:心室性期外収縮の重症度分類1)

[表]LOWN分類:心室性期外収縮の重症度分類


引用文献
1) 日本臨床検査医学会:診断群別臨床検査のガイドライン2003(http://www.jscp.org/booklet/guideline/)

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