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チロシンキナーゼとは1) 7)
- チロシンキナーゼ(protein tyrosine kinase:PTK)とは、蛋白質のチロシン残基をリン酸化する酵素のことである。 細胞はその機能の維持のためにリン酸化と脱リン酸化を繰り返す。
- リン酸化するアミノ酸残基には、チロシン、セリン、スレオニンがあるが、PTKはチロシンのみを選択的にリン酸化する。
- PTKは構造の違いによって大きく受容体型と非受容体型に分類できる。
受容体型チロシンキナーゼとは1)
- 受容体型チロシンキナーゼは、1回膜貫通型の糖蛋白質で、細胞質領域にチロシンキナーゼ活性をもっている。
- 細胞外領域部分に特異的に結合する増殖因子によって、活性が制御される増殖因子受容体[ErbB1(EGF)受容体、FGF受容体など]として働いている。つまり外界から受けたシグナルを細胞内に伝える役割を果している。
受容体型チロシンキナーゼ(増殖因子受容体)の構造 2)
- 増殖因子受容体の一般的な基本構造は3つのドメインからなる。
- ■リガンド結合ドメイン
細胞外ドメイン(ECD: extracellular domain)細胞外に存在し、増殖因子が結合する領域 - ■膜貫通ドメイン(TMD: transmembrane domain)
細胞膜を貫通する疎水性アミノ酸残基からなる領域 - ■細胞質ドメイン
細胞質側のキナーゼ活性を有する領域(PTKドメイン)
- ■リガンド結合ドメイン
受容体型チロシンキナーゼの活性化機構 2) 3)
- 受容体型チロシンキナーゼは一般にリガンド結合によって2量体となり、PTKドメインの自己リン酸化によって細胞内のエフェクター分子(シグナル伝達因子)が結合し、増殖シグナルを伝達する。
【受容体の活性化機構】 1. 増殖因子の結合により受容体が2量体化する。 2. 2量体化により、2つの受容体のキナーゼドメインが位置的に近くなり、相互のキナーゼドメインのチロシン残基をリン酸化しあう。細胞質領域には微弱ながらPTK活性があって、互いに相手のチロシンをリン酸化しあう。 3. 自己リン酸化を進行する。 4. リン酸化チロシンを介したエフェクター分子が受容体に結合する。 5. 活性化したエフェクター分子から下流へシグナルが伝達される。
- 膜貫通型受容体である増殖因子受容体は、リガンド(増殖因子)の結合によって増殖シグナルを伝えている。これらの受容体は癌細胞でも発現し、癌の増殖を促進している。
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主な増殖因子受容体とそのリガンド 4) 5) 6) <模式図> - ※各受容体をクリックすると増殖因子受容体とリガンドの解説が表示されます。
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参考資料
- 1)わかる実験医学シリーズ~シグナル伝達がわかる(秋山 徹 編集/羊土社/ 2006)
- 2)癌治療の新たな試み~新編Ⅲ(西條長宏 編集/医薬ジャーナル社/ 2005)
- 3)わかる実験医学シリーズ~癌のシグナル伝達がわかる(山本雅・仙波憲太郎 編集/羊土社/ 2005)
- 4)癌治療の新たな試み~新編Ⅲ(西條長宏 編集/医薬ジャーナル社/ 2005)
- 5)サイトカイン・増殖因子用語ライブラリー(菅村和夫・宮園浩平・宮澤恵二・田中伸幸 編集/羊土社/ 2005)
- 6)分子生物学講義中継Part2 細胞の増殖とシグナル伝達の細胞生物学を学ぼう(井出利憲 著/羊土社/ 2004)
- 7)重要ワードでわかる分子生物学超図解ノート(田村隆明 著/羊土社/ 2006)
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